SHEEP
牛や豚と違って、羊は部位の名前も焼き方もあまり知られていない肉です。買う前に知っておくと役に立つことを、はじめから順に。
結論から書くと、においの感じ方は「羊だから」ではなく、年齢・脂の質・鮮度・処理の丁寧さで決まる部分が大きい、というのが一般的な理解です。子どものころに食べた一度きりの記憶で苦手になっている人は、少なくありません。
ラム
生後1年未満
くせが穏やかで、肉質はやわらかい。羊をはじめて食べるなら、まずこちら。
マトン
生後1年以上
香りと旨みが強い。煮込みやジンギスカンなど、味の濃い料理と相性がいい。
つまり「羊は臭い」ではなく、「臭くなる条件がある」。私たちが国産にこだわるのは、その条件を自分たちの手で管理できるからです。
羊は一頭からとれる量が牛よりずっと少なく、部位の数もシンプルです。まず6つだけ覚えれば、肉屋でもメニューでも困りません。
※ 部位の区切りは模式図です。実際の分割は加工方法によって異なります。
背中(ラック)を骨ごと一本ずつ切り分けたものが、ラムチョップです。手で持てる骨、外側の脂、中心の赤身。この3つでできています。
特別な道具はいりません。家にあるフライパンと鍋で、じゅうぶんおいしく食べられます。
冷蔵庫から出して常温にもどし、塩をして、脂の面から。強火で追い立てず、中はうっすらピンクで止める。
向く部位:ラック・ロイン
ネックや肩を、香味野菜と一緒に時間をかけて。羊の香りは煮込むと丸くなり、汁のほうがごちそうになる。
向く部位:ネック・ショルダー
醤油、味噌、生姜。豚肉のかわりに使うだけで献立になります。日常食にするなら、ここがいちばん大事な入口。
向く部位:バラ・切り落とし
世界でいちばん広く食べられている肉のひとつです。宗教上の制約が少なく、乾いた土地でも育てられるため、多くの国で日常食として定着しています。
日本国内で消費される羊肉のうち、国産が占める割合は
わずか数%
ほとんどをオーストラリア・ニュージーランドからの輸入に頼っています。
日本の一人あたり年間消費量は、牛・豚・鶏と比べて
桁が違う
食べる習慣が根づいていない、というより、まだ選択肢に入っていない状態です。
一方、北海道のジンギスカンのように
地域の日常食に
なった例もある
条件がそろえば、羊は「ふつうの肉」になれるということです。
※ 具体的な数値は公表統計の確認後に記載します。
育てる人が少ないから。加工できる場所が少ないから。流通に乗らないから。そして、食べる人が少ないから。この4つは、おたがいの原因であり結果でもあります。どこから手をつけても、ほかの3つが足を引っぱる。だから、誰もやらなかった。
育てる人がいない
加工の場がない
流通に乗らない
食べる人が少ない
私たちがやろうとしているのは、この輪を4つとも同時に押すことです。誰もやらなかった理由を、やれる理由に変える。ここがいちばん大変で、いちばん面白いところだと思っています。
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