羊肉のこと|能登ひつじ

SHEEP

羊肉のこと

牛や豚と違って、羊は部位の名前も焼き方もあまり知られていない肉です。買う前に知っておくと役に立つことを、はじめから順に。

「羊は臭い」は、本当か。

結論から書くと、においの感じ方は「羊だから」ではなく、年齢・脂の質・鮮度・処理の丁寧さで決まる部分が大きい、というのが一般的な理解です。子どものころに食べた一度きりの記憶で苦手になっている人は、少なくありません。

ラム

生後1年未満

くせが穏やかで、肉質はやわらかい。羊をはじめて食べるなら、まずこちら。

マトン

生後1年以上

香りと旨みが強い。煮込みやジンギスカンなど、味の濃い料理と相性がいい。

においを左右する、3つのこと

  • 01脂。羊特有の香りは主に脂に含まれます。脂を落とす、あるいは脂の質そのものを飼料と育て方で変える、という手があります。
  • 02鮮度と流通。冷凍・輸送の時間が長いほど、においは出やすくなります。国産で、産地から近い距離で回せることの意味はここにあります。
  • 03処理。と畜から解体までの衛生と手際。ここが雑だと、どんないい羊でも台無しになります。

つまり「羊は臭い」ではなく、「臭くなる条件がある」。私たちが国産にこだわるのは、その条件を自分たちの手で管理できるからです。

部位を知る

羊は一頭からとれる量が牛よりずっと少なく、部位の数もシンプルです。まず6つだけ覚えれば、肉屋でもメニューでも困りません。

ネック ショルダー ラック ロイン レッグ ブレスト・バラ 首・煮込み向き 肩・旨みが濃い 背中・チョップ 腰・やわらかい モモ・塊で焼く あばら・脂が多い

※ 部位の区切りは模式図です。実際の分割は加工方法によって異なります。

ラムチョップの断面

背中(ラック)を骨ごと一本ずつ切り分けたものが、ラムチョップです。手で持てる骨、外側の脂、中心の赤身。この3つでできています。

  • 肉(ロース芯) きめが細かく、火を入れすぎないほうがおいしい部分。
  •  香りの出どころ。厚ければ削ぎ、皮目からじっくり焼いて落とす。
  •  持ち手になり、火の通りをゆるやかにしてくれる。

どう食べるか

特別な道具はいりません。家にあるフライパンと鍋で、じゅうぶんおいしく食べられます。

焼く

冷蔵庫から出して常温にもどし、塩をして、脂の面から。強火で追い立てず、中はうっすらピンクで止める。

向く部位:ラック・ロイン

煮る

ネックや肩を、香味野菜と一緒に時間をかけて。羊の香りは煮込むと丸くなり、汁のほうがごちそうになる。

向く部位:ネック・ショルダー

和風にする

醤油、味噌、生姜。豚肉のかわりに使うだけで献立になります。日常食にするなら、ここがいちばん大事な入口。

向く部位:バラ・切り落とし

世界での羊肉

世界でいちばん広く食べられている肉のひとつです。宗教上の制約が少なく、乾いた土地でも育てられるため、多くの国で日常食として定着しています。

日本国内で消費される羊肉のうち、国産が占める割合は

わずか数%

ほとんどをオーストラリア・ニュージーランドからの輸入に頼っています。

日本の一人あたり年間消費量は、牛・豚・鶏と比べて

桁が違う

食べる習慣が根づいていない、というより、まだ選択肢に入っていない状態です。

一方、北海道のジンギスカンのように

地域の日常食に
なった例もある

条件がそろえば、羊は「ふつうの肉」になれるということです。

※ 具体的な数値は公表統計の確認後に記載します。

なぜ、国産の羊肉は少ないのか。

育てる人が少ないから。加工できる場所が少ないから。流通に乗らないから。そして、食べる人が少ないから。この4つは、おたがいの原因であり結果でもあります。どこから手をつけても、ほかの3つが足を引っぱる。だから、誰もやらなかった。

育てる人がいない

加工の場がない

流通に乗らない

食べる人が少ない

私たちがやろうとしているのは、この輪を4つとも同時に押すことです。誰もやらなかった理由を、やれる理由に変える。ここがいちばん大変で、いちばん面白いところだと思っています。

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撮影、イラスト、レシピ、専門知見。羊肉のページは、これから中身を足していきます。

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